2019/09/05 17:00


こんにちは、鈴木です。

前回、自分のインタビューを自分のサイトに掲載するというちょっと恥ずかしいことをしたのですが、思った以上に反応をいただきました。

弟から「インタビューというか、近況報告というか、とにかく続きをしてみよう」と提案されたので、恥ずかしながら第二弾です。


ーーーーーー


どうも弟です。前回のインタビューの続きをしようと思ったんですが、僕が聞きたかったことは、ほとんど聞いちゃったんですよね。今回はインタビューというよりか、雑談みたいな感じになるんじゃないでしょうか。とにかく何か話せば何らかの盛り上がりがあるんじゃないでしょうか。よろしくお願いします。


ーーーーーー



2019年8月某日 スカイプ上にて

 

――(弟)お久しぶり。前回のインタビューからちょうど1年だね。

(姉)そうだね。



スーパームーン問題


ーーまず最初に聞きたいのはスーパームーンのことだよ。前回のインタビューで「ブラッドムーンの時は良いことが起きるけど、スーパームーンの時は悪いことが起きる」という変な法則を発見してたよね。

そこから始まるのね。


ーーそらそうでしょ。前回のインタビューの半年後、スーパームーンが2019年2月20日にあったよ。法則通り、悪いことあった?

確かその時はちょうど日本に一時帰国してたなぁ。(手帳を確認する)うん、その日は実家で友達とご飯たべてました。全然悪いこと起きなかったよ。たぶん私が日本に移動したことで、地軸がずれてスーパームーンがノーカンになったんだと思うよ。


ーースーパームーンにノーカンという制度は無いよ。


でもね、その1週間後にオランダに戻ったら、悪いことが起き始めたよ。地軸のずれが戻ったからね。私がオランダに戻ることで。


ーー聞きそびれたけど地軸のずれってなに?



ヴィンテージフェアに遠征するも空振りばかり


ーーそれで、どんな悪いことがあったの?

日本からオランダに戻った途端、商品の仕入れができなくなったんだよね。アムステルダムから電車を乗り継いで数時間かけて、ズーテルメールとかティルバルフという街で開催されてるヴィンテージフェアに行ってたんだけど、全然良い品物に出会えない日々が続いて。


ヴィンテージフェアって「自分が良いと思うものをこだわって売る人」と「こだわらずに大雑把に売りさばく人」の二種類の店主がいて、やっぱりこだわってる店の商品はとっても良いんだよね。大雑把に売りさばいてる店も、掘り出し物が出てくることはもちろんあるけど、レアケース。とにかく2月から4月頃は、遠方のヴィンテージフェアに行ったら「こだわりのないタイプの店」ばかりだったと言う事が重なって。ちょっとしんどかったの。


ーーへぇー、そういうもんなんだね。ヨーロッパのヴィンテージフェアっていうと素敵なものばかり置いてあるのかなぁと思ってしまうけど、実はそうでもないんだ。

そうだねぇ。だからこそ面白いんだけどね。日本の骨董市だって本当にいいものは限られてるでしょ。




ーーそういえば、ヴィンテージフェア以外にも、知り合いの古物商から直接仕入れることもあるって、この前のインタビューで言ってたよね。

そう。馴染みのおばあちゃんの古物商がいるんだけど、年配だから冬は寒くて隠居しちゃうんだよ。2月から4月は彼女に全然会えなかったなぁ、頼りにしてたのに。あと、馴染みの古物商は実はもう1人いて、おじいちゃんなんだけど・・・。



馴染みの古物商って何者?


ーーあのさ、そもそもなんだけど「馴染みの古物商」って何者なの?普通に生きてたら「馴染みの古物商」って人生に登場しないよね。まずは、おばあちゃんの古物商が何者なのか教えてよ。

あはは。おばあちゃんの古物商は、温かい時期は近所のヴィンテージフェアによく出展してて、何度も会ううちに仲良くなったの。私が商品を1つ1つ丁寧に見るからなのかわからないけど、なぜか私のことを気に入ってくれてる。店の奥に隠してある袋を取り出してきて、その中に入ってるアクセサリーをこっそり見せてくれるんだよ。それは彼女が本当に気に入ってるアクセサリーで、選ばれた客しか購入できないの。その特別な袋は、多分私を含めて、5、6人の客しか見る事ができないと思う。


ーーははぁ~。それが「自分が気に入ったものを売る店」っていうことか。

そうそう。相当なこだわりがあるんだと思う。彼女は凄くアンティークに詳しいよ。アクセサリーの裏側に入っている刻印がどういう意味なのかは私も本で調べるけど、それでも分からない時は彼女に聞きに行くの。「この刻印は戦後に流行ったものだね」とか、アクセサリーのエピソードや歴史を教えてくれるんだよ。出くわすと、半日くらいおしゃべりしちゃう。


ーーおお。なんかインタビューっぽくなってきた!じゃあさ、いまPast thingsの商品のアクセサリーで、その人が教えてくれた特別なエピソードってある?

う~ん。どんなのがあったかなぁ。(Past thingsの商品一覧を見る)ああ、これはその古物商のおばあちゃんの「特別な袋」から出てきたアクセサリーだね。


イギリス製 魚座のブローチ



ーーへぇー。おばあちゃん、なんて言ってた?

うーんと「一見独特な見た目をしているんだけど、あなたならこの良さを分かってくれるはずだ。」って言ってくれたよ。確かに私は一目で気に入ってしまって、すぐに仕入れを決めたよ。これ、素敵でしょ。


ーーで、どんなエピソードがあるって?

ん~、特にエピソードはないよ。「二匹の魚が本当に可愛い」って何度も言い合った。


ーーエピソードないのかよ。

そりゃあエピソードの特に無いアクセサリーだってあるよ。ただただ二匹の魚が可愛い。それで良いじゃんか。


ーーインタビュー的にはなんかもっと「へぇ~!!」みたいのがあったほうがそれっぽいなぁと思って。

そうか。うーん。そうしたら、例えばこれも「特別な袋」から出てきたアクセサリーだよ。売り切れてしまっているけど・・。フィンランドの「カレワラ」というブランドの作品であること、古いケルト文様が1990年代にリデザインされたものであることを教えてくれた。ケルト文様はいままでずっとリデザインされ続けていて、リデザインされた年代で雰囲気が違うんだよね。カレワラはケルト文様好きのヴィンテージ界隈ではかなり人気のあるブランドなんだよ。


1990年製 MADE IN FINLAND ロングネックレス



ーーなるほどね。そういう話をずーっと二人でしてるんだね。それは楽しいだろうな。

このアクセサリーは、本当にお気に入りだったみたいだよ。最初は嬉しそうに「これは本当に素敵よね」って言ってたのに、私が購入する段階になって急に寂しくなったんだろうね、今度は「これは本当に素晴らしいものなんだから!!」って大きな声で言い出した。怒ってるのかと思っちゃったよ。


ーーあはは。なんかもう、色んな感情がごちゃまぜになって気持ちの行きどころがなくなっちゃったんだろうね。Past thingsでアクセサリーが売れるときのあなたも似たような気持ちがあったりする?

あ~、そうかもしれないね。本当だね。嬉しさと寂しさが一緒くたになる複雑な感情だね。自分が本当に良いと思う一点物を扱うっていうのは、ずっとそういう複雑な感情と付き合うことになるんだろうね。でも、最近しみじみ感じているのは、みなさんに購入して頂いているから私はまた次の新しいアクセサリーと出会うことができるので、本当にありがたいなと思っています。


ーーおばあちゃん古物商は春になって復活した?

そうそう。春になって元気になったよ。やっぱり彼女がいると楽しいよ。




おじいちゃん古物商は金儲けに目覚めた


ーーなんとなく「馴染みの古物商」ってどんな感じの関係かが分かってきたよ。もうひとりは、おじいちゃん古物商だったよね。この人もヴィンテージフェアで知り合ったの?

彼とは個人的なつながりなんだ。本当に偶然で、たまたま知り合いの知り合いが古物商だったの。私の好みをわかってて、とても素朴でかわいいアクセサリーを紹介してくれる人だったんだけど・・・。


ーーだったんだけど?

ある時、俗世から離れて山に1ヶ月こもると言われて。ほら、ヨーロッパではバケーションに長期間キャンプする人はそこまで珍しくないじゃない。でも、山から戻ってきたら、彼の趣味がガラッと変わってしまった。素朴なアクセサリーへの関心はゼロになってた。代わりに、ゴールドの貴金属に興味が移ってしまったんだよ。


ーー180度逆じゃん。なぜ素朴からゴールドへ・・・。

ゴールドの壊れたアクセサリーを安い値段で買ってきて、そこから金を回収して転売してるのかな。なんだか儲かるらしいです。


ーー俗世から離れて、逆に俗っぽくなってる!無理なダイエットでリバウンドするみたいなもんか?

そうだね。山でなにがあったんだろうねぇ。最近は彼とは商品のやりとりは全然してないなぁ。いつかお金儲けに飽きてくれるかなぁ。


ーー素朴から俗へ変化して、またリバウンドして「超素朴」に変わるんじゃない?最高のアクセサリーは枯葉だ!とか言い出して道端の枯葉を拾い出すかもしれない。

全然ありえるし、彼が幸せだったら私はもうなんでもいいよ。




最近どうなのよ


ーー俺の勝手な思いつきなんだけど、Past Thingsの直販やってみたら楽しそうじゃない?あなたが日本に一時帰国するとき、どこか中央線界隈のギャラリーを土日で借りて、直販したら楽しいと思うけどなぁ。

あ~~楽しそう。でもさ、私と会うことで、みなさんのPast Thingsのイメージを壊してしまうんじゃないかと心配なのよね。なんにせよ、恥ずかしい。


ーー別にいいと思うけどな。来てくれる人、結構いると思うんだけど。

じゃあ、仮面をつけさせてください。それなら良いです。舞踏会みたいな仮面をつける。んー、それで友達にも何人かに頼んでギャラリーに来てもらって、友達にも仮面つけてもらおうかな。どれが私なのかよく分からなくなるから、そうしたら直販会もいいかもしれない。


ーーそれは直販ではなくて、ただ仮面の人がたくさんいる奇妙な空間でしょ。

まぁ、検討してみます。確かに楽しそうだし。。



ーーPast things以外の生活は最近どうなのよ。

最近、地域の人たちと一緒に植木の世話してる。


ーー佐々木のじいさん(ちびまる子ちゃんのキャラクター)じゃん。

そうそう。東京でいう丸の内みたいなオフィス街にある小さな公園で、雑草を刈ったり花を植えたりしてる。そのおかげで最近ちょっと自然モチーフのアクセサリーを仕入れることが増えてるかもしれないね。


ーー「自分の姉がオランダに移住して佐々木のじいさんをする確率」って天文学的に低いよね。なんだかこの世界って本当に自由なんだなと感じるよ。

まぁ、私としてはそうなるべくしてそうなってる気がするよ。


(オランダで佐々木のじいさん活動をしているときに拾ったヘーゼルナッツ)



ーー最後、どうする?宣伝でもしたら?

Past Thingsへの新商品の掲載は2019年10月初旬頃と、12月中旬頃を予定しています。今、いろいろなところに遠征して、仕入れをしているところです。よろしくお願いします。


ーーじゃあ、また1年後にこれやろうか。

そうだね、またね。





終わり


ーーーーーー



弟よ、ありがとうございました。


 



  • Home
  • About
  • Blog